2011年5月

Last Modified: Tue May 31 16:09:32 UTC 2011

/31 [Tue]

@08:00

原子力依存文化の日本。 毎年、1000億円近いカネが原子力関連施設の周囲に落ちているって?

... In a process that critics have likened to drug addiction, the flow of easy money and higher-paying jobs quickly replaces the communities' original economic basis, usually farming or fishing. ...

(専門家が薬物依存症になぞらえるこの過程では、安易に手に入るカネと高収入の職が すぐに地元のもとの産業を駆逐してしまう。たいていの場合、それは農業と漁業である。)

いつも思うのだが、原発関連で地元にどれくらいの金がバラ撒かれているのかを 日本のマスコミが真面目に取り上げているのを見たことは、ついぞ一度もない。 とくに具体的な数字については、新山には見当もつかない。 だから nytimes が取り上げたってわけだ。前にだれかが言っていたが、 海外メディアのほうが日本の実態をきちんと報道するというのは皮肉なことだ。

... Still, at first local fishermen adamantly refused to give up rights to the seaweed and fishing grounds near the plant, said Mr. Nakamura, who was a leader of Kataku’s fishing cooperative at the time. They eventually accepted compensation payments that have totaled up to $600,000 for each fisherman. "In the end, we gave in for money," Mr. Nakamura said. ...

(それでも、地元の漁師は最初のうちは断固として反対していたと 当時の漁業組合長だった中村氏は語る。彼らもついには 一人あたり総額60万ドルにのぼる賠償金をのむことになった。 「結局、おれたちは金の力に負けたんだよ」)

一人あたり6000万円!? …なにかの間違いじゃないか? もしこれが本当だったら、たいしたもんだ。 おカネ自身は決してウソをつくことはないが、 かわりに人にウソをつかせる。 「1人6000万円やるから反対運動するな」と言えば、ほとんどの運動は破壊できるし、 たとえ粘って残るやつがいたとしても、確実に仲間割れさせることは可能だ。 まったく、カネのパワーってやつはものすごい。

しかし同時に思うのだけど、 これが人類の選んだ「市場主義経済」ってやつの本質なのである。 人は "the price is right" と思えば、どんなものだって買えるし、なんだってさせられる。

... "We absolutely need it," Yoshifumi Matsuyama, the chairman of Oma's Chamber of Commerce, said of the plant. "Nothing other than a nuclear plant will bring money here. That's for sure. What else can an isolated town like this do except host a nuclear plant?"

「(原発は)絶対に必要だ」と商工会議所長の松山ヨシフミ氏はいう。 「原発以外に金をかせげるところはないよ、それはたしかだ。 こんな人里離れた町で一体ほかに何が残っているというんだ?」

@20:46

きょう、ふと実験気分でいつもと違うスーパーに寄り、 いつも買っている豆腐と違うブランド (株)大山豆腐の「本にがり・もめん豆腐」 (90円也) を 買ってみたら、安いわりには結構ずっしりとしていてウマい。 Good Job, 大山豆腐! たまに冒険するとおもわぬ 発見があるもんだと、あらためて感じたのでぁった。

/30 [Mon]

@07:55

うわーもうこんな時間!?

@18:53

Windows PowerShell。…

を、使い出した。先週から。…

…あいかわらず Microsoft の体内にとり込まれているようで 非常的不本意なのだが、とりあえず今まで使っていた cmd.exe よりは マトモだと思う。あいかわらずすべての用語を UNIX と意図的に変えているのはともかく、 パイプ経由で渡されるのが System.Object[] だったり、HKLM: や 環境変数の名前空間を仮想ドライブとして扱えるのもクールだ。しかし、やっぱり敗北だな。

もともとの理由は、新山の使っているタッチパッドが最悪なことにある。 もともとマウスは場所をくうのであまり使いたくなかったのだが、 この (会社で余っていた) タッチパッドは「右クリックでドラッグする」という操作を なぜか感知しないのだった。それでショートカットが作れない! しかし、「右クリックでショートカット作成」という設計が そもそも腐っており、もうだからオレはマウスなんか使いたくねーーーんだよ、 チキショウめ!! …というヤケクソ的な論理により『もっとましなシェルを使えば、 キーボードからすべて操作できるだろう』の理屈により PowerShell を学習するに至る。 ショートカットも PowerShell 自体では作れないのだが、COM を呼び出せるので WShell 経由により作成可能だ。ほかにも bash で使っていた自作関数を 山ほど移植した。powershell.exe が bash よりもいいひとつの点は (いや、悪い点もいっぱいあるのだが)、いままで新山はちょこっと計算をするときに 電卓がわりにいつも Python を立ち上げていたが、powershell ではビルトインで 演算機能があるので、その必要がなくなったということである。 複雑な関数も .NET のライブラリがすべて利用可能なのでできるわけだ…。 新山は iPython のような yet another shell に依存する気はないのだが、 「標準でサポートされている」ものには弱い。PowerShell にしろ bash にしろ、 それ自体ではたいして使いやすくもないのだが「どんな環境でも必ず入っている」というのは強い。 最終的には、プログラマはこういうものにダケしか頼れないという状況が 結構あるのである。Sun を使っている管理者はデフォルトの vi と sh だけで作業できなきゃいけないのと同じようなもんだ。 新山がいまだにオーソドックスな Makefile だけに頼り、 cmake や sconf なぞのビルドツールを使わないのも同じ理由からである。 とにかく「安定性」だけが重要なのだ。ツールの管理だけに特化した エキスパートがいる環境ならともかく、すでにプログラムが十分複雑な状態で、 わざわざ複雑なツールに依存してブラックボックスを増やす必要はない。

よね。

/29 [Sun]

@19:15

どーーにも家のモデムにつながってる eth0 の調子がおかしいので、 ドライバをいじるのはあきらめて新しいカードを買ってきた。 RealTek の980円のやつ。そしたら案の定、一発で動いた。 しかし最初は eth1 として認識したのに、 カーネルを更新したらなぜかこいつは eth0 になりやがる。 しょうがないので udevを更新して 毎回必ず同じカード番号になるようにした。 いまだにこの問題がきちんと解決されてないのは笑える。

/26 [Thu]

@20:36

恐怖と欲と思い上がりは、人間の目を曇らせる。くわばらくわばら。

@20:37

何がどうなっているかっていうと、新山は他人の心が読めるのだ。 しかし同時に新山は「他人の気持ち」がわからない。 こういう奴ってのは、ホントに、罪深いと、思う。

おもう。

P.S. やあ、元気かぃ?

@20:45

最近の面白かった Linux関連ニュース: The problem with prefetch

頻繁に回るループでアセンブラの出力を最適化させようというprefetch()マクロは、 (少なくともx86においては)速度を向上させないという話。やはりKnuthは正しかった。

@20:51

バージョン番号について。ソフトウェアのバージョン番号を どのように割り振るかということについては、じつにさまざまな議論がある。 これは結論が出ない論争だ。なぜなら、そもそも「バージョン番号」というものを どう利用したいかは各人によって異なるからである。どだい完璧なスキームというものは ありえないのだ。

新山は自分の書くソフトウェアでは、 もっぱらタイムスタンプ (20110526など) をバージョン番号として使っているが、 1, 2, 3... のように序数にしたほうがいいという主張もある。 また、2.0.1 のように木構造のバージョンを使うべしという意見もある。 どうなのよ? まとめてみると、ケッキョキのところ (結局)

ということだ。つまり、もしあなたがバージョン番号によって 「古さ」を知りたいのであれば、日付を使うほうがいい。 いっぽうでバージョン番号に「ふるまい」「機種」「用途」のような情報のヒントを 含めたいと思ったら、必然的に番号に内部構造 ("2.1.1729a" など) を持たせることになる。 しかし新山が思うに、たいていのソフトウェアはほとんど線形に進むし、 大多数のユーザにとってわかりやすいのは日付だ。そう思って新山はタイムスタンプを バージョン番号として使っているのだが、世の中には無反省に 1.2.0.3.445 などという数字を使いたがるバカが多いよね…。

/25 [Wed]

@20:56

やっと地獄の2週間が終わったと思ったら、まだ続くらしい。 このところまったく日記を書けていないよ。 くんなろ。

/18 [Wed]

@08:08

JavaScriptで動くLinuxエミュレータだと。じつに正しいjsの使い方だ。

/15 [Sun]

@19:41

Schneier、PSN のデータ流出について語る

"It's another network break-in, it happens all of the time," he said. "This stuff happens a lot."
(またやられたネットワークが増えたにすぎない。こんなものは、いつでも起こっているよ。)
...
"You are blinding trusting that they will use the information wisely and secure it. And you have no say how they do that and you have no recourse if they fuck up."
(人々は彼らが個人情報を正しく使い、きちんとそれを守ると盲目的に信じこんでいるんだ。 彼らがどうやってそれを達成しているか誰も答えられないし、 いざ崩壊したときにどうすればいいのか誰も知らない。)

結局、新山の理解はこうである: 消費者が悪い。

原発にしたって、飛行機にしたってそうだ。 メーカーが「大丈夫」といっても、100% それを信じるのはアホである。 もちろんメーカーにもウソをついた責任はあるのだが、信じるほうも悪い。 しかし、100% じゃないとしたら、いったい 何% なんだ? さすがに 0% ではないわけで…。それを考えるためには、 個人が自分でリスクを学習するしかないわけだが、 それにしては今の技術はあまりに複雑すぎ、 一般人に説明されていないことが多すぎる。 新山が「技術者の責任」と考えるものはここにあると思う。 どんな技術も、最終的に消費者はどのような利益を得て、 どのようなリスクを負っているのか、きちんと一般人に理解できるように 説明しなければいけないのだ。しかし少なくとも計算機業界に関しては、 今のところこれは致命的である。技術者自身で、自分が (究極的には) 何をやっているのかわかっていないヤツのなんと多いことか!

…シュナイアーが指摘しているとおり、 今後も、こういった問題は山のように起こるだろう。 セキュリティだけの話ではない。もっと深刻な、人命にかかわる事故も起きるにちがいない。 こういった事故を防ぐには、(いま新山が思いつくかぎりでは) ちょうど自動車業界や航空機業界のように、ソフトウェア上の安全基準を設けて 第三者が厳密に結果をレビューするしかない。もっとも、 過去の航空機事故を見れば、とても完全な解法とはいえないし、 そもそもこれだけ複雑かつ多様なソフトウェアをどうやってレビューするんだ? この2つは計算機科学がもって生まれた原理的な悪霊である。 おまけに今やどこにでもあの「知的財産権」とやらがつきまとう。 新山がオープンソースに賛成しているのは、「何でもタダにしろ」という意味じゃなく、 「社会の安全」のためなのだけど、こうした考え方を理解してくれる人はとても少ない。

(追記) どうでもいいけど (どうでもyoro)、 javascriptを使わないと(おそらく)見えない kotaku.com の記事ってのはひどすぎる。 まあ、Lynx で見れたからいいけどね…

@00:02

そうそう、さっきニュースを見て思い出したけど、 「被害者感情を考慮すれば殺人者には死刑が当然」とかいってる人々は、 イスラムの世界でいまだに本当に行われている「目には目を」刑法がイイと思っているわけですよね。 彼らのロジックを考えると、必然的にそういう結論になる。 ちなみに今回はイランで刑が延期されたというニュースらしいが、2003年だかには アフガニスタンで実際に刑が執行されて男が失明させられている。 つまり、そういう世界が「正義」だと思ってるわけだ。 こういう人々の価値観は、本当にわからない。いや、わかるのだが、 問題はこういう人間がまるで一人前の人間であるかのようにふるまっていることだ。…

@00:14

そういえば最近ぜんぜん日記を書いてなかったからいまさら書くけど、 Primo Levi の "If This is a Man" を読み終えた。 かなり暗い内容で、淡々と描かれてはいるものの、読むたびに落ちこんでしまい、 終わるまでにケッキョキ半年くらいかかった。 どことなく大岡昇平の「俘虜記」をほうふつとさせる人間観察があるが、 おそらく状況はレイテ島なんかよりももっと陰惨だったと思われる。 それでも Levi の記述はおだやかで、「詩的」といえるくらいなのである (新山が読んだやつは英訳版、イタリア語ではもっと詩的なのかもしれない)。 似たような本にフランクルの「夜と霧」があるが、これも学者っぽい、 感情のこもらない文章で書かれているところは似ている。 ふたりとも壮絶な体験をしたはずだが、もしかするとあまりに強烈すぎて、 こういう感情を抑えた形でしか書けないのかもしれない、とも思う。 続編の "The Truce" もそのうち読まなきゃな。

ちなみに、Primo Levi を読むきっかけになったのは このビデオである。 YouTube はじつに教育的だなあ。

/13 [Fri]

@08:02

トマトを自転車のカゴに入れることの危険性について。 きょう、会社の近くでトマトを買ったのだが、もともと熟れていたのに、 家に帰ったらプヨンプヨンになっていた。

/11 [Wed]

@22:46

今日は、うちの社長が何かの間違いでスペアを出したということを除けば、 たいした出来事はなかった。

Seriously, あれはなにかの間違いだ。

@23:05

im drunk as hell. i cant really type. obama bin laden lol.

/10 [Tue]

@19:29

四角い機械は、なんでも訴えるぞ!
-- Apple

@19:29

さいきん疲れているらしい。 きょうは1時間も! 残業しちまった。 帰りにエレベータに乗ったら、ほんらい「1F」のボタンを押すところで、 なぜか自転車のカギを取り出してエレベータの操作盤の鍵穴に入れようとしていた。 なんか、おかしい。

/10 [Tue]

@01:00

ある意味では、エンジニアの仕事とは、 「カネがあってもどうにもならないもの」を 「カネでどうにかなるもの」にすることである、とも言える。

@01:01

このあいだ、はじめてExcelの(複雑な)式を書いた。なんだ、これってLispじゃん! つくづく、セルの中で let が使えればいいのにと思う。

@01:06

The Art of Unix Programming ってそんなにイイか?

もうだいぶ前の話になるが、こないだ この記事を読んだら、 "Unix Philosophy" って一体何のことかと考えさせられた。 あきらかに百人百様の定義があるようだ。 「これはもう40年間も時の試練に耐えてきたのだから重要に違いない」と言う人もいれば 「これはもう40年も前の仮定に基づいて作られた時代遅れなものである」という人もいる。 そして、どうでもいいが、ESRはやっぱり気がふれているように見える。 オレは人のこと言えないか…


Yusuke Shinyama
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