2005年 10月 (2.99)。

Last Modified: Mon Oct 31 23:18:54 EST 2005 (11/01, 13:18 JST)

Oct 31 [Mon]


(08:41)
今日は はろウィーンだが、それとは関係なくはりきって行動しよう。

ご結婚おめでとう。式は洋風だったのね。ということは例のああいう外人アルバイト牧師が出てきて… 以下自粛。

(10:31)
てくるで (ところで)、はろウィーンの日は、パパは早く家に帰らねばいけないらしい。 だからミーティングの予定を早くするといってきた。

パパは大変ね。

さて、いきなり研究 (けんきふ) の話になるが、GLARF はほんとうにむずかしい (が、おもしろい)。 かなり「まっとうな」意味構造を返してくれるのだが、問題はそれが「まっとうすぎ」なことにある。 返された構造はほぼ完全なグラフとして扱わねばならないので (知ってた? 本来、構文木などというものはインチキであって、 言語をまともに扱おうとすれば、木構造をしていないんだよ!)、 そこにはループも含まれている (たとえば関係代名詞節はそれ自体が従属節となっているが、 その就職先修飾先は主文である)。だから、ある動詞の主語や目的語は何か? というときに、グラフを Dijkstra でたどらなければならない。なぜなら、 ひとつの単語が複数の動詞に対して主語としてかかるなどというのはよくあることだからだ (そしてその逆もある)。おまけに、coordination (並列) は GLARF では入れ子になったノードとして扱われる。 これ自体もまったく正しい表現だが、これまた処理する側が正しく扱わなければ ちっともその特徴は活かされない。そのために数々の工夫が必要になる。 Python がなかったら一体どうなっていたことか。

もっとも、グラフ構造もしょせんインチキなのだが (より精巧なインチキといえるかもしれない)。

(13:35)
ぶえgっぷ4

カッコ王国

新山は、本来ならカッコをつけなくてもいいところにカッコをつけたがる。 たとえばこんなの:

a = (b + c) + (d + e)

とーぜんこれは、意味を明確にするためのカッコである。

あと、こんなのもある:

if y and (not x) and (not z): ...

ほんらい notand より 優先度が高いからカッコは必要ないはずだが、それでも人間が読む場合は こちらのほうが読みやすい。

とくに C では以下の×のような記法を使うことはまずない。

× *p++;
○ *(p++);

カッコ民主主義人民共和国
カッコ人民民主主義共和国

なぜなのだ!!

やばい。止まんなくなってきた。

これはすごい理論だ。つまり開きカッコ閉じカッコはそれぞれ男と女に相当していたのだ! つまりこれは神の定められた摂理というものである。したがってゲイという連中は 世界を premature end of file させる運命にあり、したがって悪である。すばらしい! 共和党は Lisp を習うべきだ。

しかし一般の Lisp プログラムでは、男女がほんとうにくっついていること () はまれで、 たいていの場合、男の集団 (((( と女の集団 )))) とのあいだには かなり距離があるよなあ。人生とはそんなもんよ。

やりすぎです。

ところでリンクを全部クッリクした人、あなたは負け犬だ。

(14:01)
↑↑
オレはお昼休みに何をバカなことを? (まあ、毎日が昼休みみたいなもんだが)
(18:08)
今日はそそくさと帰ってきた。ブロードウェイに出たらはやくも頭のおかしいのがいやがる。 人混みの多そうな通りは避けて、Lafayette を南下。 チャイナタウンのいつもの雑貨屋で象印のポットを買う。69ドル。 安くはないが、こんなものだろう。帰ってきてから eBay で検索してみたら 同じ製品が 59ドルだったが、結局、送料が 10ドルぐらいかかる。 それに、この雑貨屋にはいつも食器を買ったり 箸を買ったりで、なじんでいるからね。考えてみれば、4年前、米国にきた直後にも まさにこの店で電気ポットを買ったのだった。あのときはまだ 9.11 の前で、 ダウンタウンはどこにいても例のビルを見上げることができた。

そのあといつもの店で冷凍ギョウザ 30個を買い求め、家路につく。 WTC は会社帰りの人で混んでいたが、ヘンな格好したのはいなかった。 JSQ に着いたらガキんちょが仮装してたむろしていた。 はろウィーンもさすがに 5回目ともなるともう 99% 無関心だな。 きょう、ある日本人が「日本にもこんなイベントがあったら」といってるのを聞いたが、 どっこい実は似たようなイベントは全国各地にあるではないか。 ただ西洋かぶれしてる人には見えないだけのことで。

(20:51)
いま Google News 日本語版を見て思わず吹きだした画面キャプチャー

ところで、新山が Firefox で嫌いなのは、 javascript:void(0); のようなリンクの onclick属性を下のメッセージバー領域に表示してくれないことだ。 これじゃ何されるかわからない。javascript で悪さをしたがる馬鹿を許すまじ!!

(22:45)
Sony の DRM が Rootkit をインストール?
(23:18)
vnc2swf で 1時間の録画をしようとしただと。そんなに長くなったら知らねーよ。

Oct 30 [Sun]


(08:42)
きょうから冬時間だ。つまり、夏時間じゃない。 これはきわめて画期的な事例だと思わんカネ??

DDI.

(14:47)
今日は 20℃近い。とてもあたたかくてよい天気である。 をみあげるとひとつない。 こんないい日に部屋にこもっていたらバチがあたるぜね!

だぼー (double)、だぼー (double)

(19:27)
紀伊國屋に行って、そのあとブックオフに行ってきた。 紀伊國屋はまず何よりも店の中がやたら暑かった。今日はもともと気温が高かったせいもあるのだが、 これではゆっくり本を探せない。結局、何も買わずに出て、そのまま 41st. のブックオフへ。 ブックオフはだいぶ変わっていた。1階がほとんど洋書と中古CD売り場になり (しかし、洋書の古本屋なら NY にいいとこが他に腐るほどあんのに、 ここで売ってどうすんの? 日本に送れよ!)、地下がふつうの日本の書籍で、 2階は全部マンガになった。2階へいくとビンボーそうな日本人が 沢山いて、マンガを立ち読みしているのに出くわす。書籍はかなり多くのものが $1.00 になっていた。これって、日本じゃ 50円とかで売ってるやつ? (ちなみに紀伊國屋でも本の値段は日本の 1.5倍である) しかし今日は発見したショッキングなことは、 ブックオフのほうが紀伊國屋より本が探しやすいということである。 なぜなら紀伊國屋はぜんぶ出版社ごとにブロックがちがっていて、 その中で作家順ソートされてるのに対し、ブックオフは出版社も ジャンルもほとんど関係なく、ただひたすら著者順に本を並べているからだ。 ただしブックオフでは客が店に入ってくるたびに、おばちゃんが 「いらっしゃいませこんちわあああ〜ごゆっくりどうぞ〜〜」 と声をはりあげるのでまるで日本にいるような気がして落ち着かない。 しかし、どっちの店の並べ方もそんなにおもしろくはないよなあ。 なんとなくバカな買い物がしたい気分だったので、1ドル本を 8冊買って 帰ってきた。たぶんこの中でアタリがひとつでもあればいいほうだと思われる。
(21:55)
ところでさいきん聞いた話だが、中国の大学では健康な男女学生はみな 数ヶ月に一回、献血を強制させられるんだと。 この話をしてくれた J氏 (○華大学出身) によれば、 「中国にいるときはそれをぜんぜん変だと思わなかったが、 いまあらためて思い出してみていかに異常かがわかった」という。 おそろっし協賛国家。それよりも疑問なのは、なんぜそんなに血がいるのか? ということだ。ちなみに J氏は成分献血というものを知らなかったから、 中国ではまだ一般的ではないらしい。こわいなー。 ちなみに、かの国ではあいかわらず BitTorrentで映画を配布するのが大流行らしい。 字幕の翻訳者は全部ボランティアで、ナイスな編集がされ、 いくつかのサイトが客入りを競い合っているという。 ほぼ最新のハリウッド映画が見れるらしい。彼らはそれをDVDに焼いてさえいる。

ニュウ・ヨウクにいて中国ネタに詳しくなるってのはどうなんか??

どうでもいいけど、うちで 4年間使っていたタイガーの湯わかしポットがこわれちゃったのよ。 きょう見てみたら、ちっとも沸騰しない。そろそろ償却の時期かとも思うし、あした チャイナタウンで新しいの買ってこなきゃ。

(00:15)
…8冊の中から、すでに 1冊、アタリを見つけた。 森達也著「放送禁止歌」である。 まだ半分ぐらい読んだだけだが、これ、おもしれーーじゃん! なんでこんな本が $1 で売ってんの。 これは定価 648円 (本体) って書いてあるが、じゅうぶんにそのモトはとれるほどおもしろい。 作者にあと 500円くらいカンパしてもいい本である。そういうのが簡単にネットから できるようになれば本の世界も変わるかもしれない。

ちなみに、いまんところ一番衝撃的だった (とはいうものの、おおかた予想はしていた) 文はこれ:

マスメディアは、実は規制を望んでいる

これを「人間は、実は規制を望んでいる」と読みかえることはできるだろうか? おおっと、また大審問官になってしまった。dixi、dixi。

Oct 29 [Sat]


(23:22)
また日記を書きはじめるのが遅くなった。このごろいつも遅い。
(00:26)
そして昨日のトークの要約 (↓) を書くのに 1時間かかった。 研究についてこういうまとめのようなものを書きたがるのは かつて某サークルに所属していた病気のようなものであるの蚊。

最近とった写真なづ (← 「最近とった写真など」の複数形)。

(01:44)
lwn 翻訳も終わったし、そろそろ寝る。

…その前に書いておくと、 きょう、洗濯が終わってからさっそく Pier-1 Imports に行ってみたのだが、 去年は売っていた花瓶はもうなかった…。がっかり。 オレはつくづくあの花瓶が好きだったらしい。どちらかというと、 花を飾るためにカビンを買ったというのではなくて、花瓶を置きたいがために花を飾っていたようながする。 似たような花瓶は探せばほかにあるかもしれないけど、Crate and Barrel とかでもそうだが、 アメリカで売ってるガラスの花瓶ってのはだいたいどれもデカくて重くて肉厚なんだよ。 一輪挿しに向いているような花瓶ってのはほんとに少ない (ちなみに、花屋で売ってる花自体もバカデカい種が多い)。 もっと別の店を探さねばダメかもしれない。 しかし、しょうがないので、その後近所の花屋に寄って小さめのガラスの花瓶 (無色透明でズン胴 -- メスシリンダーか!) を買ってき、ついでにそこにあった フリージアがあまりにキュートだったので衝動買いした。 色は「どピンク」である。以前はもっとつつましやかな花が好きだったハズなんだけど… さいきん趣味が変わったのかなあ…。

Oct 28 [Fri]


(09:58)
フーまた手袋 (ろくぶて) が必要な季節がやってきたか。
(22:58)
だいぶ遅くなったが、今朝のころきあ。
COMPUTER SCIENCE COLLOQUIUM

Speaker: Gene Myers,  UC, Berkeley and HHMI, Janelia
Title: Whole Genome Sequencing and Imaging-Based Systems Biology

きょうの聴衆の面々をみると、かなりの大物トークであったらしい。 で、実際すげー研究で面白かった。

(追記 oct 29) 画像分析をつかって、ゲノムを別の観点から理解できないか? という内容。かなり素人には わからんところもあったし、またすごい結果が出ているわけでもないのだが、 そのアイデアはすごかった。現在さかんに行われているゲノム解析 (英語では「ジノム」と発音する) の目的というのは、そもそも何か。 多くの生物学者の興味というのは、けっきょく「遺伝子はどういう仕組みで生物をつくっているのか」ということにつきる。 遺伝子が生物の構造を決定するプログラムだということはわかっているし、 その塩基配列も読めるには読めるのだが、ある遺伝子が「存在する」ことによって 結局なにがどうなって生物の機能や組織ができるのか、その複雑な過程はまだわかっていない。

これを解明するために、生物学者はとりあえず DNA の塩基配列を読もうとしている。 しかしここには問題がある。DNA の塩基配列が全部読めたとして、結局のところ それがどのように「動く」のかをつきとめなければ、遺伝子の仕組みを解明したことにはならない。 つまり、コードは読めてもそのプログラムがどう動くかは複雑すぎてまったくわからんのである。 Perl のワンランナーで書かれた証券取引システムを渡されてどう動くか説明しろ、といってるみたいなもんだ。 しかしもっと大きな問題は、そもそも DNA を読むだけで大騒ぎ、ということである。 現在では DNA を何十万という断片にぶったぎって (長すぎると読めない)、 すげー高額な機械をつかってなんとか配列の一部を読むことはできるが、 これはとにかく時間と手間がかかる。なぜなら読みたい配列のほんの一部しか取れないし、 ノイズが多すぎるのである。で、いまのゲノム解析というのは、ほとんど 「断片をどうつなぎあわせるか」と「どうノイズを削減するか」にかかっているという。 このためにほとんどの手間がさかれている。 スライドの中にジョークとしてマンガが出てきたが、研究者が 30億ピースの ジグソーパズルをつみあげて途方にくれており、「あっ、はじっこ見つけた」とかいってる、 というものだが、この人はこれはジョークなんかではなく、実態だといっていた。とりあえず DNA の 断片は全部あつめても、それを並べる方法がそもそもわからんのである。で、いまの bioinformatics では いろんな手法を開発したりアルゴリズムを開発したりしてなんとか「つぎはぎ」の精度を上げようとしているが、 はっきりいってまだまだらしい (「Nanopore はまだ実用にならない」とかいってたが、そら一体なんじゃ?)。 データが集まれば集まるほどノイズ処理が問題になり、計算量もおそろしく増大し、 全体的な遺伝子マップはおそろしく曖昧で、この調子でこれから一体どうなんの、という状況なんだと。

で、このおじさんは「こんなのオカシイ!」と思ったのだそうな。 つまり、塩基配列を読むのはそれはそれで結構だが、何も遺伝子の発現を研究する唯一の方法は それだけではない。なにかまったく別のアプローチがあるはずだ -- といって他の分野の論文を読んでいたら、画像分析をつかう方法を思いついたという。 なんとかバエ (「D. なんとか」という学名で呼ばれているらしいが、忘れた) の 卵細胞をもってきて、そこに細胞に放射能マークした mRNA を入れてやる (これはどうやるのか知らないが、とにかくできるらしい)。そのあと胚が成長するにつれて その mRNA の動きを追っていくと、「ある遺伝子が体内のどの部分で発現したか」が 時間をおってわかるようになるそう (実際にムービーも見せてもらった)。 実際にはこれは 1匹ではなく、何十匹ものハエの成長途中の画像をクラスタリングして行う。 遺伝子の動きで謎なのは、ひとつの細胞から分裂した細胞が ある部分で特定の遺伝子だけを発現させ、特定のタンパク質をつくることによって その部位の組織をつくるというメカニズムである。これまでの研究では、 ノイズがおそろしく多いため、こういった DNA のグローバルな動きを説明することが むずかしかったという。この研究をこれから発展させると、そういった塩基配列を 別の観点から見てそうした説明をする足場が与えられるのではないか、という 期待がもてるのだそうな。また、種ごとの発現のパターンの類似性をミクロな視点で 詳しく調べることによって、ある特定の塩基配列に共通する構造を みつけることができるかもしれない、という。 「遺伝子がちょっとしか違わないのに、ぜんぜん最終形態の違う生物」というのは 沢山あるのだが、生物の塩基配列はもともとかなり再利用されているはずで、 最終形態はぜんぜん違っていても、発生段階でのある局所的な 部分の時系列によるパターンを追っていくと、そこには深いレベルでの 共通したアルゴリズムがあるかもしれないのだ…。

というわけで、かなり途中で「???」な状態にもなっていたが、 まったく眠くならずに最後まで楽しめたトークでありました。 このおじさんは喋り方も軽快で説明もうまく、おまけにアイデアも なるほどと思わせるものだったので、非常にためになった。 で、今回のホストは shashaせんせいだったのだけれど、 そもそもどういうきっかけで知り合ったのかといったら、 「イタリア旅行してるときにあるプールだかで偶然出会って、 話しているうちに非常に仲良くなったので講演を頼んだ」という。 あいかわらずおもしろい先生だ。 しかし今日は参加者も多かったので (学科じゅうから人が来ていた)、 それなりに名の知れた人だったらしい。

それにしても専門用語がなあ。新山が知っている生物用語というのは 「mRNA」とか「C elegans」ぐらいのもんで、あとはまったくわからん。 文脈からの推測でしかわからんが、それすらむずかしいときがあった。 たとえば「この実験は XYZ-456 を使って…」とかいう英数字の略語を言われても、 それがなにか生物のことを指しているのか、あるいは機械や実験手法のことをさしているのか、 それとも制限酵素かなんかなのか、ぜんぜんわからんので、 ときどき文脈が追えなくなるのだった。

(03:44)
くそっっったれ。今日は沢山書くことがあったに全然時間がねえよ。 vnc2swf のバカ!!

今日は落ちこむことがいっぺんに起こった、よくない日だった。

  1. とある家庭の事情。(精神的にはこれが一番きつい)
  2. UPSを導入して電圧低下をメールで通知させるようにしたら、 じつはうちのビルでは毎朝 6:10分ごろに瞬電している という事実が発覚したこと。
  3. そのせいかどうか知らないが、 サーバが 1台ブっこわれて、しかも中のハードディスク 2台 (200GB+300GB) がおじゃんになっていた。スーパーブロックで I/O error が出るので fsck もできない。 前から警告は出していたのに、これで数ヶ月分のデータが失われた。 オレが使うデータじゃないので知ったっちゃないが、こういう無駄を見るとつくづく悲しくなる。
  4. そのあと、へれんにグチを言いに行ったら、向こうではさらに深刻な問題が発生していたこと。 サーバが壊れた程度で泣きごとを言ってる場合じゃなかった。
  5. そのあと、追いうちをかけるように、部屋のお気に入りの青い花瓶を割ってしまったこと。 これはすっごい悲しい。 たしかこれは pier-1 import で買ったはずだが、まだ売ってるのだろうか。明日みてみよう。

唯一よかったことは、ころきあのトークが楽しかったことだ。 これはまた明日書く。しかしこんなんじゃ満たされない。翻訳もしてないし。もーもー

Oct 27 [Thu]


(11:20)
Google が (また) 改悪された。検索結果のレイアウトが変わっている。Firefox で見ると違いはないが、 Lynx で見ると明らかに見にくくなっている。があああ。 そういやー、かつて goo も Lynx で見にくくなったあたりから ダメになりだしたんだよな。。。

ところで (てくるで)、pyvnc2swf で、Windows で (人によっては) MemoryError が出る、 という問題にずっと悩まされていたのだが、新山の環境では再現しなかったので、ずっと放ったらかしにされていた (それに Windows で使っているユーザはぜんぜん Python を知らない人が多いので誰も修正できなかった)。 ところが、今日パッチを送ってきてくれた人がいた。やったね! 原因は RFB プロトコルからの データを受けとる recv() にあった。 Windows には socket.MSG_WAITALL がないので、 いままでの (MemoryError をひきおこす) バージョンは次のようにして MSG_WAITALL を エミュレートしていた:

  def recv(self, n):
    buf = []
    while n:
      x = self.sock.recv(n)
      if not x: break
      buf.append(x)
      n -= len(x)
    return ''.join(buf)

で、これが修正されたバージョン:

  def recv(self, n):
    buf = ''
    while n:
      x = self.sock.recv(n)
      if not x: break
      buf += x
      n -= len(x)
    return buf
実は MemoryError の原因はリストにたくさん文字列をつめこみすぎたためだった (この文字列の長さは数mbytesになりうる)。ただし、これじゃー文字列をいちいち足してるから 遅くなりそうだよなあ。StringIO は、ソースを見てみたら内部でやはりリストを使っているので メモリの節約にはならない。array('c') を使えばちょっとは速くなるだろうか? まあ、Python でこのような大量のデータ転送処理は向いていないということは認めるよ。
(22:12)
きみは「ニュートンの第一法則 (廉価版)」を知っているかっ。

それは、つぎのようなものである:

  1. 病気は治らない。

(この、バカ笑いぶりを見よ。バカ=笑=い的に)

(01:49)
1日のノルマをすべてこなそうとすると日記かく暇が全然ねえよ、ちくしょう

Oct 26 [Wed]


(11:00)
I feel that OpenBSD development is evolutionary instead of revolutionary.
-- Theo de Raadt
(23:04)
くそーーもう Google 主催のイベントには絶対行かねー。

今月の nylug ミーティングは Alex Martelli による「Python のオブジェクトモデル」だった。 講演者は口ヒゲをはやしたイタリア人のおっさんで、 Python in a Nutshell と Python Cookbook の著者であるらしい。 しかし、トークは期待はずれだった。激しく期待はずれだった。 ようするに、こいつは Python クラスの __dict__ とか __get__ とか __new__ とかを あれこれラッパして、便利な (と本人は思っている) クラスを設計しよう、 というものだが、はっきりいってサイアクだ。どの程度サイアクかは、 発表スライドのサンプルコードを見ればわかる。 はっきりいって、この手の操作をやりたいなら Lisp のマクロのほうがはるかにきれいだ。 もしオレが Python を知らずにこのトークを最初に見たら、 Lisp に転向しようと思っただろう。それくらいひどい。 おまけにこのおっさんの話し方は威圧的だしジョークは面白くなかった。 たいして得るものもなく、時間の無駄だった。

しかしオレが本当にムカついた原因はトークの内容そのものよりも、 会場のしょうない演出にある。もともとこのトークは Python だから 行ったのだが、最初はただの普通のミーティングなのだと思っていた。 しかし行ってみたらそこはいつもやっているような IBM じゃなく、バーの特設ステージで、 入った途端、あの例の「Google オブジェ (色水の中に泡ボコが浮いてるやつ)」が 並んでおり、Google のパンフレットが配られていた。これって Google の就職説明会か何かですか?? ようするに、連中は Linux ユーザのリクルートがやりたかったのである。それなら最初からそう言えよ (バカにしてるよなあ)。 バーの中はコースターからナプキンから (!) すべて "Google" の文字が入っており、 おまけに Google 印のついたヘンテコな PC が置いてあってネットが見れるようになっていた。 そんでタダ飯が用意されてるのだが、トークはいつまでたっても始まらない。 1時間ぐらいしてやっとトークが始まったら、照明はひどく暗いし 音響は悪いしプロジェクターも見づらかった。 そもそもこんなところで技術的な話をやるというのが場違っているのである。 タダ飯で釣ろうとしているのだろうが、疲れるだけ。素直に会議室でやれよ! で、このおやじも Google Tシャツを着て出てきて、最初に「google がいかにすばらしい会社であるか」を 力説するし、終わってからは別のおばさんが出てきて「わが社では Linux のエキスパートを 求めております、彼(=講演者) のような優れた人材と働きたい方はぜひ google へ!」といっていた。 なによりガッカリしたのは、出席してた連中のほとんどが Python なんか使ってもいないし、 ただ google という名前につられて来てみただけ、ということだった。 したがって今回のトークを理解した人はたぶん全体 1割もいないと思われる。 トークが終わったあとに、誰かが隣に「Python はほとんど知らないけど、すばらしいトークだったね!」 と話しているのが聞こえた。ウソつけ馬鹿野郎。 アメリカンにはこのようになーんにもわかっていないくせに称賛するアホが多いが、 こういう連中を見ると時々「氏ね」と思う。

で、今日の集まりはほとんどアヤしい新興宗教にしか 見えなかったということだ…。大量の信者に囲まれ、「中の人」もまた信者であった。 おまけに連中が必死でオタクのご機嫌とりをしている様子は、まるで某真理教を思い出させる。 頭はいいがアタマが浅い人にはうってつけの会社なのかもしれない。 それでもアメリカンからは素晴しい会社だと思われているところがおそろしい。 考えてみれば、google 自体、アメリカ人の嫌われ者ぶりを凝縮したような会社である。 気前がよくてフレンドリーで、うすっぺらい善意に満ちているが、考えが浅く、無神経で、 パワーさえあれば世界中の問題は解決できると信じており、 なぜ自分が嫌われているのかまったくわかっていない、という典型的なタイプ。 ま、どうでもいいけど (DDI)。とにかく、これからは google が関わるイベントには参加しないことにしよう。 普通のトークだと思ったオレがバカだった。

それにしても、Python Cookbook とか Python in Nutshell って以前に見たことはあったが、 なんらかの理由で「欲しい」とは思わなかったのだが、今日のおっさんのトークを聞いたら 買わなくて正解だったような気がする。あんなのが Python だと思ってもらっちゃ困るね。

(追記) そんなことより来月の講演は Eben Moglen だって! 実は Python よりそっちのほうがずっと興味あるぞ。 考えてみれば彼は Columbia の教授だから実は近所にいたんだな。

(00:16)
さふいえば、Dan のところの助手 (っつーか、システム管理要員) として雇われていた Ali というねーちゃんが別の職に異動するというので、今日はみんなで引き継ぎのためのヒアリングをした。 彼女は赤く染めた坊主頭にピアス、 そして Unix に関してはグループの誰よりも詳しい (ちなみに端末のカラーは 黒地に緑色) という、 とってもクールなネーちゃんなのである。たぶん女性で sysadmin というのは新山ははじめて見た。 彼女が管理していたのは Dan とその学生が使っていた 20台ほどのクラスタで (新山が使っているマシン達とは別)、基本的にオレは関係ないのだが、 別のチームの管理ポリシーを聞くのも参考になるかと思って (後に残された Dan 一同は /etc/fstab も自前で書けないような軟弱者ばかりであるので、 このあとが大変だろうよ、オレ知〜らねっと)。

ひととおり話を聞いた結果、やっぱりオレのシステム管理方法は正しかったと 思った。すくなくとも、給料もらってやってる管理者と同程度のことは できていると思う (しかし新山の奨学金は研究の対価として払われているのであって、 システム管理をしても全然ホメてもらえませんが)。ただ、Danのグループよりうちのポリシーのほうが ずっとパラノイアっぽいけどな。しかし、システム管理者ごとき (=新山) が上司 (=この場合はセキネさん) に「なんてことしてくれたんですか!」とか ズバズバ言える環境ってのは恵まれてると思うのである。

Oct 25 [Tue]


(13:39)
激寝坊してミーてィングに|刻|遅|しそうになった。
(16:23)
どうでもいい = DDI

どうでもいい馬鹿話 = DDIBB

Oct 24 [Mon]


(22:20)
ほげーー。劇イソガシな一日だった。きょうは一日じゅう、ほとんど誰かと話していた。 けさはわりと朝はやく行ったつもりだったのに、やりたいことの半分もできず。 まあいいけどね…。ミーティングがあって、そのあとサーバをどこに置くかという 事務的なゴタゴタがあって (うちのグループでサーバ室の一部を使わせてもらえないか 交渉中なのだが、スペースはあるが配電盤の容量が足りないというのだ)、 そのあとへれんと実験のことで話して、そのあと Chen と話して、彼がミーティングのあとで 落ちこんでいるので「ここらへんで相談にのってやるのがオレの義務かも」とか考えたら ま〜コヤツがよく喋ること喋ること。だからテキストをインデックスするのに B-tree は無茶だって。 cdb を使え、cdb を。怒涛のようなグチを聞いたあとに気がつくと 6時半だったが、オレはもう ノドが痛くて何もやる気おきず。雨の中を帰ってきて、そのままメシを食わずにバタンQ、 1時間ちょっと爆睡。置きてゴハンを買いに行き、戻ってきてから返事を出さなきゃいけない メールがあることに気づきその返事を書いているとまたもや「シェルスクリプトが動かん」という電話が。 とにかくなんできょうはこんなにモテるのかしら? ああそうだ、組合の投票してくるの忘れたよ (こちらでは学生といえども労組があるのです)。 明日やろっと。

今日は昼を食ってるときにも誰かが尋ねてきて翻訳ぜんぜんやってる暇なかったし、 ミヤノ日記を見ている暇もなかった。つうことでこれから今日の分の翻訳だる。

(22:43)
Rosa Parks って、「教科書の中の人」かと思ってたら、まだ生きてた人だったんだ!?
(23:47)
きょうのバカ LWN: ロボット搾乳マシンをコントロールする Linux (LinuxDevices.com)

Oct 22 [Sat]


(11:53)
いやーー、シーケンシャルな夢だった…。

新山がいまだに恐れていること:

まあ、いまではどっちも使っているけどね。恐れていることには変わりがない。

(14:44)
IKEA のカタログ (なぜかうちのトイレに置いてある) を眺めていると、 どのリビングの写真にもかならずデカいフラット TV が置いてあるのが目につく。 テレビや PC ってのはインテリア的に見ればじつに最悪なしろものだ。 ツラがでかいのである。おまけに灰色でのっぺりしているので、 部屋の雰囲気をぶちこわしていることが多い。なぜ IKEA はこんなものをどの写真にも わざわざ入れているのだろう。ディスプレイのある部屋なぞで真にリラックスできる奴がいたら それは正真正銘のキチガイである。つまり、新山が真にリラックスできるのは 外にいるときと、電車の中にいるときだけだ…。携帯電話を持たないのも、おそらくは 「ディスプレイがあると安心できないから」という理由であると思われる。 あ、でも山手線では車内に TV があるから日本ではもう安心できないな。 心から落ち着いた暮らしをするには山にでもこもるより仕方がないよ。
(17:43)
雨がふっていた。 「ギョーザが食いてえ、ギョーザが食いてえ」とつぶやきながら、チャイナタウンへ。 そのあとジャスミン茶 (例のオレンヂ色の缶に入ってるヤツだ…。) を買ってオフィスに到着。 雨がふっていて外はひどく暗い。

さふいえば、そろそろ halloween なんだが、うちのビルの裏口のエレベータには "Freight Elevator (貨物用エレベータ)" と書いてある部分が赤いマジックで "Freight HEllevator (恐怖の地獄ベータ)" と修正されている。この落書き、いつからあるんだろう…

(23:48)
↓いまから見てはいけないものを書きます↓

業務上過失致死と業務用カシスソーダって似てるよね。

↑いまここに見てはいけないものを書きました↑

(05:09)
今日じゅうにぜったいドキュメント書きを終わらせるっ。 と思ってやっていたが、いざ書きだすと「あれもかかなきゃ、これもかかなきゃ」と 内容がふくれあがっていき、結局のところ終わるまでに非常に時間がかかった。そしてくそったれ、 なんだこの時間は。もう明け方じゃねーか。これではまたド寝坊生活・不謹慎悪循環になってしまう。 しかも、腹へった。そういやー冷凍うどんがあったな、と思い (こんな時間帯に OREO など食うもnか!)、ネムたげな目をしつつ 秋の夜更けにひとり長ネギを切る男。いやー、絵になるなあ。 きょうは、ほんとはもっと早く始めるハズだったのが、 12時ごろにまた泣きの電話がかかってきて、 ちなみにこれは今日オフィスにいるときにもかかってきたのでこれで 2度目なのだが 「ごめんもう寝た?」って、オメーーが起こしてんじゃねーーーか、ばか! そしてまた「よろずサポート係」として大学の マシンにログインしてあーだこーだやっていた。 まあ、原因はそれだけじゃないのだけど、とにかくオレはグチをいうぞ! そしてうどんを食うべし。
ずるずる。ずるずるずるずるずるずるずるずるずるずる

終わってますよ。ほんとに。

Oct 21 [Fri]


(12:10)
やばい。またもや。曜日感覚の欠如。見事にころきあをネとばした。 いつのまに金曜日だったの?? 空はよく晴れている (ウソ)。
(14:15)
学生ミーティング:
Thursday, November 3, at 11:00 a.m. in room 1221, 719 Broadway.
(20:27)
頭脳労働者の鉄則:

ちなみに、世の中のすべての肉体労働者は同時に頭脳労働者でもある。 が、彼らはなぜか頭脳労働者とは呼ばれない。

(21:30)
また瞬電かよ。。。

ところで電車の中でゲイのカップルをみかけた。 これだけなら特に珍しくもないのだが、今日見たカップルはさらに手話をしていた。 さすがにゲイで聾というのはめずらしい。まあ、アメリカ的な考え方でいけば、 ハンデにもめげず個人としてのスタイルを確立していてすばらしい! …ということになる。しかし個人的な考えでは本当にすばらしいのかどうか。 なんともいえない。

(23:47)
そういえばまえに Geek Cruises なんてのがあるのに 驚いたものだったが、Big Nerd Ranch ってのもあるんだ。 Geek Cruise がどっちかというと休暇を楽しく過ごすのに対して、 こっちは人里離れたところでずっとストイックな感じだ。 PostgreSQL 研修会の体験記 をみても、かなり部活の合宿っぽい。
(00:57)
この週末のモクヒョー:
  1. vnc2swf の新バージョンをリリースすること (もうコードはとうにできてるのに、いまだドキュメントが追いついてない)。
  2. webstemmer の新バージョンをリリースすること (これもコードはできてるのに、まだドキュメントができていない)。
  3. 某サイトの作者にコンタクトをとること (これもけっこうできてるのだが、細かい部分が…)。
  4. 新しい日本語インデックスのライブラリをはやく実用段階にする (実験はうまくいったので、さっさとつくること)。

ああ、全部はむりそうだ。図書館にも行きたいし。

(01:05)
どうでもいいが、m&ms のチョコを見ていたら、これって某サーチエンジンの色に似ていると思った。 絶対これで文字描いて遊んでるやついるよな。なぜアメリカの菓子はどれもこれもみな をしているのか。 ちなみにその某毒々しいサーチエンジンでは、「毒々しい」は正確に検索できません。 sikasi これって考えてみれば変な単語。大辞林によると 「いかにも毒があるような感じ / いかにも悪意を含んでいるような感じ」と書かれている。 一般には、そうでないやつのほうがアブナイが…。
(02:30)
「知らない人」に、ものを知らせることはできる。

でも「わかってない人」に、ものをわからせるのは、ほとんど不可能だ。


Yusuke Shinyama